ようこそヘリオス会病院のホームページにおこし下さいました。
平成元年12月にヘリオス会病院を開設して、早くも20周年を迎え21年目に入りました。この20年間で印象に残っている医療関連の話題も、年ごとに複雑さを増し暗いニュースが多かったように思います。
この中にあっても、私たちは、理想の病院のための夢を実現すべくこの20年間努力を重ねてまいりました。
私が、病院づくりの上で最も多くの影響を受けたのは、日本医科大学の高柳和江先生が主宰した「癒しの環境研究会」へ参加したことでした。他業種の人たちとかかわり、新しい病院運営の活動を通し日本全国の施設や、世界の医療施設を視察に関わってきたことは、わたしにとって理想の病院像をよりはっきりとさせるものでした。
特に、平成10年のデンマーク、スウェーデンの医療施設と、平成12年アメリカのカリフォルニア州の医療施設および高齢者福祉施設を視察したことで、”私が長年追い求めていた理想の病院像「愛と癒しのある病院」はこれだ!”と、深く心に刻み込まれました。
この気持ちは、拙著「元気になる病院」へも書かせていただきましたが、私がヘリオス会病院職員みんなとともに歩もうとしている「愛と癒しのある病院」づくりの原点は、ここにあるのです。
研究会や視察での見聞
・皆様よくご存じのクラウンの格好で広く世界を飛び回り「医療は愛とユーモア、そして思いやりと情熱を持って行うべき。」と実践されているパッチ・アダムス先生
・ドイツ人で「死への準備教育」をライフワークにされている上智大学のアルフォンス・デーケン先生の「死への恐怖心から解放され、最後まで生きぬくための勇気をもとう。」
私自身この考えに共鳴し埼玉県での講演をお願いしたことがあります。
開設20周年は劇的な政権交代があり、医療問題も大きな変革の鼓動が感じられますが、医療行政の方向性は依然として混沌としております。
私たちは国の施策をじっと待つのではなく、ヘリオス会病院が地域の皆様から信頼され期待される病院に変貌することが必要です。
理想とする病院つくりの考えのいったんは、当館の建設の中に生かされておりますが、実は患者様に対するソフト面のケアをこれからも実践していくのです。
現在のような経済変動の厳しいなかでは、簡単に建物を作りかえることはできませんが、ソフト面での充実は職員一人一人の考えの中にあるもので、ぜひ、理想の病院づくりに職員一体となって実現したいと思っております。
病む人、そしてそのご家族の方々の信頼と癒しの場所として、ヘリオス会病院が、地域に根ざし、認められ、十二分にその機能が発揮されるよう邁進してまいります。
20周年は、新たな挑戦、新たな一里塚への旅立ちです。今後とも、よろしくお願い申し上げます。
医療法人財団ヘリオス会 理事長 森田仁士